シェフ・亭主
お品書き・手羽元と根菜の煮物、トマトと水菜とタコのサラダ、メカブとクロメの酢醤油、いのししの中華風、まぐろのカマの蒸し焼き、ボイルドいのしし中華風、しめのちゃんぽん、などなど。

『続・世間遺産放浪記』のうちあわせのために、藤田洋三さんが早めに到着。テーブルでフジムラと写真をひろげているあいだに、亭主がお御馳走を。
藤田さんが、すごい食材を持ってきてくださった! 2歳のメスのいのしし(生)、ボイルドいのしし、クロメ、まぐろのカマ(特大!)。
19時半すぎ、ようやくテーブルでの打ち合わせが済んで、開亭。建築研究家の中村さんも来られ、わいわい言いながら、「2歳のメスのいのしし・亭主風炒め物」に舌づつみをうつ。美味しい話としては、中村さんはなんとサルの脳みそを香港で食されたことがあるとのこと。いいなあ。わたしもヒツジの脳みそは食べたんだけど、この手の(白子とか、キモとか)食べ物って、ほんとうに美味しいんだよねえ。
洋三さんは「赤ん坊を生んでいない、若い、ぜったいにメス」ということで、その美味しい肉をもってきてくださった。オスだと固くて、このような料理には適さないという。

今夜は働さんも来亭。おひさしぶりで、焼酎を持ってきてくださった。地震のせいもあるのだろう、個展のお客様の入りが少なかったとのころ。だよね。わたしも何かすることに億劫になってしまって、無力感のカタマリみたいになっていたもの。
そして、マグロのカマ登場。石風亭では、一度魚かなんかを焼いたときにもうもうと煙があがり火災報知器を鳴らしてしまった、という過去がある。だから、塩をして盛大に焼きたいところだが、さすがは亭主。蓋をして蒸し焼きという調理法で、、、ううううん、めちゃくちゃ旨い。
古本屋の兄貴がビール券を持参してきてくれていたので、江崎クンに買ってきてもらう。江崎クンとわたしはビール呑みなので、とっても嬉しい。兄貴は自分ではビール呑まないのに、私のために(笑)そういう券など持ってきてくれて、ほんまに、幸せです。
江崎クンは天草の産。マグロのカマをほんとうにきれいにこそいで食べるので、同様な志を持っているわたしとしては、とても気持ちよかった。

とかなんとかしているうちに、わたちゃんをはじめいつものメンバーが揃い、大にぎわい。そろそろわたしの記憶が怪しくなってきた。春は鬼門なので、早めに退亭しようと思っていたのに、そんなこんなで美味しいものやお久しぶりの方がいらっしゃっていたので、ついつい深酒。まあ、しょうがない。とはいえ、最近ブラックアウトの回数が増えてきたので要注意。
山本タクシー営業日だったので、2000円で無事帰宅。「お金ないなら1000円でもいいよ」って言ってくれたが、ほんとうは3500円くらいかかるので2000円支払う。

料理の才能が、驚くべき(本屋だけではもったいない)亭主。2歳のメスのいのししの藤田さん、ビール券の兄貴、みんなすごいよなあ。
「友がみな我よりえらく見ゆる日よ……」などと、そっとつぶやいてみた。