絵が動く

著・画:
弥勒祐徳
判型・頁 A5判並製165頁(カラー30頁)
ISBN 978-4-88344-218-8
定価 1980円(本体1800円)
発行日 2012/08/20

ネット書店で注文

中央の「画壇」から遥か遠き宮崎の地で、九十三歳の今日までただひたむきに「絵とは何か」を求め続ける土俗画家・弥勒祐徳の自伝的エッセイ集。自然の躍動を、神楽の鼓動を、心の感動を、キャンバスに――。

目次

 狐火の記憶
 貧しさのなかから
 つましき我が家
 母のこと
 早逝した姉と兄
 苦学、苦学の中学時代
 灯火管制下、闇夜の結婚式
 木喰との出会い
 寒川のある一日
 原点に気づいた寒川時代
 美術教師となる
 キャンバスも絵の具もなかった
 美容師となった妻
 「ゴム長先生」
 はにわ学級
 「蛾」との出会い
 記念すべき初個展
 画廊「ウルワシ」のこと
 生きた絵を描く
 自然との対話が絵になった
 木喰にいざなわれて
 蛇が守った毘沙門堂
 「女」シリーズのころ
 東京での初個展
 立木に彫った十一面観音
 水の上で彫った仏像
 祈りを込めた十一面観音
 ひまわりの強さ
 サーカスを描く
 さようなら妻線
 「弥勒美術館」開設によせて
 キャンバスに命を刻む
 夢中で描いた二千五百号
 いぶくろ祭り
 見えないものを描く
 雪の夜の神楽
 甦った寒川神楽
 桜の樹の下で
 なぜ桜に惹かれるのか
 桜を追って
 樹の目線で描く
 感動を描いた霧島
 絵が動く
 描き続けるということ
 「蓮」の会
 語れぬ妻を描く
 介護しながら描き続けたい
 一瞬と永遠
 生きた絵が生まれるとき
 季節を追いかけて

著者略歴
弥勒祐徳
[みろく・すけのり]
みろく・すけのり

画家。
1919年宮崎県西都市に生まれる。
1938年西都市立寒川小学校代用教員となる。
1940年、応召、中国東北部、南方戦線に従軍。
1944年招集解除、三納青年学校助教諭となり、以後59歳まで宮崎県内各地の中学校で図工科の教員として教壇にたつ。
1955年、宮崎県美展に初入選。
1960年、宮崎県美展で知事賞受賞。
1976年には文部大臣賞、さらに宮日総合美術展で県知事賞を受け、無審査となる。
1978年には北海道にスケッチ旅行、長年の主題の一つである「木喰仏」を訪ねる。
1989年文部省の地域文化功労賞、2003年西都市民栄誉賞、2008年西日本文化賞を受賞。
2005-07年には宮崎県美展で特選、大賞、特選を連続して受賞。
現在も西都市に在住。個展回数は400回を超える。
著書に『絵に生きる』(私家版)を初め『西都風土記』『曼陀羅の記』『神楽を描く』『木喰は生きている』(以上、鉱脈社)絵本『木喰さん』『語れぬ妻へ──八十八歳の画家が描いた在宅介護の千八百日』『絵が動く』(石風社)など。 また評伝に『小伝・弥勒先生』(井口幸久、西日本新聞社)『民俗画家弥勒祐徳』(福富健男、江南書房)がある。

石風社より発行の関連書籍
関連ジャンルの書籍