アジアと向き合う– category –
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地球を翔た異風者
佐賀にひとり桁はずれの漢がいた日本人としての矜持を胸に、常識に抗いつつ、その目をアジアにむけ続けた、五十七年の破天荒な生涯 アジアシンポジウムで、武夫はタイのソーシャルワーカーの発言を耳にし、心臓に氷の突き刺さる思いをした。「日本人はバナナだ。外は黄色でも中身は白色。欧米人と一緒、アジア人ではない」武夫は自分が... -
モンタルバン
フィリピンの戦場で死にそびれた男の執念と、その戦場で幼くして父を失った青年の思念が、戦後補償問題の潜むマニラ・モンタルバンを舞台に交錯する……。 -
フィリピンの小さな産院から
フィリピンの最貧困地域にクリニックを開いて13年。伝統的風習と近代化のはざまで悪戦苦闘しつつのてんやわんやの日々の記録。丸裸の人間が見え、本当の豊かさと、「本当に母子にとって良いお産とは」を問う、泣き笑いの奮闘記。 -
ペンと兵隊
北九州・若松の沖仲仕頭領・玉井金五郎の長男として生を受け、文学を志し上京。帰郷後、労働者の組合運動に身を投じ、芥川賞受賞の「糞尿譚」や従軍小説「麦と兵隊」などで一躍、国民作家の地位を確立するも、戦後、連合軍により公職追放――。激動の時代とともに葛藤しつつ揺れ動いた文学者たちが背負った思想的課題を、葦平作品に内在する振幅の中から問い直す評論集。 -
三池炭鉱「月の記憶」
三井三池炭鉱の108年の歴史。囚人労働に始まった炭鉱は、与論の人びとがその一端を担った。仕事を制限され、賃金は差別され、炭住は隔てられ……それでも彼らは懸命に働き、泣き、笑い、踊り、強靭に生き抜いた。そして中国人、朝鮮から連れてこられた人、炭塵爆発、三池労組。過酷な労働と差別によって成し遂げられた三池炭鉱を「影」の記憶をそして生き抜いた人びとの強さを追い求めた珠玉のノンフィクション。 -
世間遺産放浪記
働き者の産業建築から、小屋、屋根、壁、近代建築、職人、奇祭、無意識過剰な迷建築まで、庶民の手と風土が生んだ「実用の美」の風景。沸騰する遺産ブームの中で、見過ごされてきたもうひとつのヘリテイジ(=遺産)を日本全国津々浦々に追った旅の記録。痛快無比、心に沁みるオールカラー247葉300ページ! (●荒俣宏氏(「サンデー毎日」7/27)、藤森照信氏(「毎日新聞」5/13)、松村洋氏(「読売ウィークリー」6/17)、飯田辰彦氏(「公明新聞」6/5)ほか各氏絶讃紹介!) -
アフガン農業支援奮闘記
「アフガニスタンに自給用の農作物を」。異なる文化、過酷な風土の中で悪戦苦闘しつつ積み重ねられた農業支援六年余りの克明な記録。小麦・米・トウモロコシ・アルファルファ・ソルゴー・さつまいも・茶・ぶどう・蕎麦など、失敗の数々といくつかの成功。その試行錯誤を克明に記すことで、次世代へと繋ぐ報告集。 -
電撃黒潮隊
ブン屋に負けぬテレビマンたちの逆襲! 筑紫哲也氏絶賛の、心ゆさぶられるヒューマンルポルタージュが綴られた。 -
香港玉手箱
転がりつづける町・香港から目を離すな! 香港在住10年の音楽や絵画・写真に造詣の深い著者がつづる熱烈歓迎辛口定点観測。 -
絵を描く俘虜
十五歳で満蒙開拓青少年義勇軍に志願、十七歳で関東軍に志願、敗戦でシベリア抑留。二十二歳で帰国。土工をしつつ画家を志す。──満洲シベリア体験を核に魂の深奥を折々に綴った一画家の軌跡。