文芸(小説・エッセイ)– category –
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大正・昭和を生きて
海軍軍医を父として、大正時代に生まれ、関東大震災、昭和の戦争の時代を生き抜いたひとりの個性的な人物が、等身大で体験した日々の記憶を記す -
馬毛島異聞
鉄砲伝来の島・種子島の西方12キロに浮かび野生鹿群れる小さな島の歴史物語。お家騒動から島の開拓・開発、そして実らぬ恋まで──。種子島家の支配のもとにあった島の歴史を史実と伝統を綴り合わせながら郷土史の泰斗が遺す。 -
かずよ
詩人・みずかみかずよ。没後25年。ひとりの詩人がみずみずしくよみがえる。小学校の教科書に多くの詩が掲載されたみずかみかずよ。50代で亡くなったその生涯を、人生の同伴者・水上平吉が綴る──。 -
北山湖殺人事件
福岡、佐賀を舞台に居酒屋の美人女将が活躍する表題作ほか、結婚詐欺の嫌疑をかけられ女将・容子が身の潔白をはらすべく奮闘する「トリプルシャドー」のミステリー2作を収録。 -
福岡赤煉瓦文庫1 逃亡/月明
日中戦争末期、指針を失い弛緩した戦線から突如逃亡をはかった二人の兵士と、その追跡の任にあたった兵士の間の内面の葛藤を描き、一九四六年発表当時、火野葦平から激賞された長篇「逃亡」。紀元前の大陸を駆け巡った匈奴の冒頓単于の流転のドラマを描いた最晩年の短編「月明」。戦後間もない福岡で産声を上げた文芸誌『午前』を俳人・眞鍋呉夫らと創刊し、三島由紀夫や檀一雄らスター作家の寄稿を初め、多くの後進作家も育てた名編集者だった北川晃二。長らく絶版状態だった代表作を収めた貴重な作品集。 -
絵が動く
中央の「画壇」から遥か遠き宮崎の地で、九十三歳の今日までただひたむきに「絵とは何か」を求め続ける土俗画家・弥勒祐徳の自伝的エッセイ集。自然の躍動を、神楽の鼓動を、心の感動を、キャンバスに――。 -
出版屋の考え休むににたり
出版屋(ほんや)のオヤジが、どじょうやなまずのように川の底から世界を眺むれば、そこには何が見えるのか。──地方都市福岡で志も見通しもなく創業して30年。能天気にして苦くおもろい出版社の楽屋話。 -
細部にやどる夢
少年の日々退屈極まりなかった世界文学の名作古典が、なぜ、今読めるのか。小説を読む至福と作法について明晰自在に語る豊潤な世界。 -
越南ルート
華北からインドシナ半島まで四千キロを行軍した冬部隊一兵卒の、戦中戦後を巡る自伝的小説。──戦争を生きた人間の思念が深く静かに鳴り響く。戦争文学の知られざる傑作。 -
テレビ人間万華鏡
多忙な日々を送る外科医が、テレビという時代の窓に映る著名人を画と文で活写。 ──外からは見えなくとも、なるべく美しく手術するのが医師の良心である──