文芸(小説・エッセイ)– category –
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ビザンティンの庭
複雑な歴史を背景にしながら、大地のように揺るぎなく生きる人々の土地、バルカン半島。風のように軽やかにビザンティンを描く旅。 -
穴が開いちゃったりして
深く、自由に生きるために、世界の表皮を裏返し、全身全霊で世紀末を駆け抜けたカルトの怪人・隅田川乱一。「JAM」をはじめとするさまざまな雑誌に遺した、プロレス・ドラッグ・パンク・イスラム・神秘学にまつわるディープな知力が甦る。 -
フンザにくらして
パキスタン北部フンザ地方の小さな村に暮らすこと8年。その四季を哀切な文章と細密なペン画で綴った珠玉の滞在記。杏の花が咲き乱れ、原初の神がラカポシから見下ろす最後の桃源郷・フンザ。 -
オーベルニュの小さな村
一人の画家が、フランス中部オーベルニュのポルミニャックでくらした毎日を細密なペン画で伝える。つましくあたたかい村人との3年間のくらしを綴る。 -
別府華ホテル
奇抜なアイディアと規格外の行動力で日本一の泉都を築いた観光王・油屋熊八をモデルに描かれた繁盛記。地獄巡りの開発、温泉マークの発明、観光バスガイドの創設、九州横断道路の提唱、はては富士山頂に「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」の柱を立てて別府観光の礎を築いた男の、とその娘の生涯を描く。 -
物識り狂
知は市井にこそ靭く自生する──。「年ごろ紀元前後の本を手にすることが多かった。だれにも若い折の選択や怠惰を悔いる時期がある。西洋古典学も中国文学も学ばなかったのは悔いだが、これもいわば塞翁が馬、かえって新鮮でおもしろかった」(あとがきより) -
西海遊歩
文学と風土を語る──。山頭火、夏目漱石から林芙美子、村田喜代子まで、文学者のゆかりの地を訪ね、自らの原体験に重ねて作品を読み解く。 -
天を織る風
中世イスラム世界に迷い込んだ医学生・朝海。そして戦乱の小国の跡継・ユヌス。二人を操る美しくも哀しい運命──。時空を超え、宗教を超えて結実する「愛」と「信仰」のファンタジー -
町は消えていた
夢の中をさまよう一人の男の不思議な心象風景を描いた、漱石の「夢十夜」を彷彿とさせる作品集。 -
加久藤越
敗戦直前に結成された独立歩兵大隊。その奇妙な行軍の一週間が、人間存在のやるせなさをあぶりだす──。「峠を越えて兵隊達は夫々の故地へと四散してゆきました。お互い二度と廻り会えることのない人達でした。独立編成部隊のサダメでした」(松浦豊敏氏)。