20世紀の記憶– category –
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穴が開いちゃったりして
深く、自由に生きるために、世界の表皮を裏返し、全身全霊で世紀末を駆け抜けたカルトの怪人・隅田川乱一。「JAM」をはじめとするさまざまな雑誌に遺した、プロレス・ドラッグ・パンク・イスラム・神秘学にまつわるディープな知力が甦る。 -
白いなす
そのころ、日本は世界の国々と戦争をしていました。海峡の町にくらす少女の家族から、戦争はかけがえのないものを奪いさった。少女の父も兄たちも二度ともどらなかった。戦争と平和を考える絵本。 -
理想は高く輝きて
小倉高校創立100周年記念出版。経済から文化・芸能・スポーツまで、各界を担う多彩な人材を輩出しつづける名門・小倉高校。現役OB・OGの51人が、それぞれの青春の原点となった〈倉高〉の日々を振り返ったインタビュー集。 -
別府華ホテル
奇抜なアイディアと規格外の行動力で日本一の泉都を築いた観光王・油屋熊八をモデルに描かれた繁盛記。地獄巡りの開発、温泉マークの発明、観光バスガイドの創設、九州横断道路の提唱、はては富士山頂に「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」の柱を立てて別府観光の礎を築いた男の、とその娘の生涯を描く。 -
北京籠城日記
明治三十三年、義和団の乱。清国兵・義和団五万の包囲のなか、柴五郎中佐のもと前線で防衛指揮した一大尉の日記。前線指揮官の克明な証言。 -
身世打鈴(シンセタリョン)
燕帰る在日われは銭湯へ──「本書はいわゆる〈句集〉ではない。俳句という表現形式による一人の在日韓国人の自叙伝であり、パンチョッパリ(半日本人)と呼ばれる男の精いっぱいの抗いである。/考えてみれば、韓国人の私が日本語で考え、話し、書くという行為は決して自然な姿ではない。だが、この不自然な姿こそが私の姿そのものであり、私の俳句である」(本書あとがきより) -
ラバウル日記
旧帝国陸軍の官僚制としぶとく闘いつづけた一予備役軍医の二千枚に及ぶ日記文学の傑作。──降伏時、総司令官から出された責任逃れの「極秘通達」に憤り、英訳して豪州軍に提出。裏切り者と指弾されながらも、同僚を死刑より救う。 -
加久藤越
敗戦直前に結成された独立歩兵大隊。その奇妙な行軍の一週間が、人間存在のやるせなさをあぶりだす──。「峠を越えて兵隊達は夫々の故地へと四散してゆきました。お互い二度と廻り会えることのない人達でした。独立編成部隊のサダメでした」(松浦豊敏氏)。 -
水俣病事件と法
水俣病事件における企業・行政の犯罪に対して、安全性の考えに基づく新たな過失論で裁判理論を構築。工業化社会の帰結である未曾有の公害事件の法的責任を糾す。──水俣病事件と共に生きてきた一法律学者の二十五年におよぶ渾身の証言集。 -
ローン・ハート・マウンテン
「パール・ハーバー」に対する報復として、日系人11万人が強制収容所に抑留された。収容から50年、アメリカを内部から静かに告発する本書は、紆余曲折を経て、日本と日本人にとっても両刃の剣として甦る。──もう一つのアメリカ。アカデミー賞受賞作品「待ちわびる日々」原作。