20世紀の記憶– category –
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風になるまで
戦争が終わって十年。福岡近郊の町に、大阪から心に憂いを抱いた少女がやって来た──。少年、少女と、十年前の福岡・雷山空襲で死んだ子どもたちとの心の交流を通じて現在に平和を問いかける児童向け読み物。(戦争と平和/小学校中学年以上向け) -
ドラキュラ屋敷 さぶろっく
戦後間もない片田舎の村。戦争の影をそれぞれにをひきずる子供達が、あるひと夏の奇妙な出来事を通し、未来に向けて歩み出す……へっぴり腰の少年たちがドラキュラ屋敷で見たものは……(児童書/戦争と平和/小学校中学年以上) -
サイパン俘虜記
1944年8月、4万人を超える犠牲者を出したサイパン島の戦いで捕虜となり、アメリカでの収容所生活を送ることになった一人の元陸軍中尉が遺した記録。サイパン島上陸から九死に一生を得た玉砕戦の実相、そして一年以上にわたる捕虜生活を経て帰国するまでの葛藤の日々を綴った貴重な手記。 -
上海より上海へ
兵站病院の軍医が克明に記した日記をもとに「残務整理」と称して綴った回想録。看護婦、宣教師、ダンサー、芸人、慰安婦、芸妓、女給……戦争の光と闇に生きた女性たちを、ひとりの人間の目を通して刻む。従軍慰安婦・慰安所第一級写真資料。重要資料「花柳病ノ積極的豫防法」兵士の性病対策レポート。 -
祖国を戦場にされて
ビルマの人々が紡ぐひかえめな言葉の中から、日本軍と英印軍の姿が影のように浮かび上がる──。故郷の村を故なき戦場とされた人々は、その時何を見たのか? 六年の歳月をかけて綴る、ビルマが見たビルマ戦 -
ティンサ
ビルマの初代首相バ・モオを父に、反政府活動家を夫に、波瀾に富んだ人生をおくったティンサとその一族の物語。大英帝国の植民地、さらに日本軍政下、時代の理不尽に翻弄されながらも清くたくましく生きたビルマの女性達へのオマージュ。 -
外国航路石炭夫日記
葉山嘉樹「これはきみの傑作だ。たいせつにとっておきたまい」。 1928年(昭和3)から4年にわたり、インド/欧州航路の石炭夫として大恐慌下を生き抜いたひとりの労働者が、華氏140度の船底で最底辺の世界を克明に記した記録。葉山嘉樹が「これはきみの傑作だ。大切にとっておきたまい」と評した、プロレタリア文学、もうひとつの金字塔。 -
佐藤慶太郎伝
日本のカーネギーを目指した九州若松の石炭商・佐藤慶太郎。「なあに、自分一代で得た金は、世の中んために差し出さにゃ」。巨額の私財を投じ日本初の美術館を建て、戦局濃い中、佐藤新興生活館(現・山の上ホテル)を建設、「美しい生活とは何か」を希求し続けた男の清冽な生涯を描く傑作評伝。 -
名前を探る旅
原爆により、長崎三菱工場の六千人以上、広島市女の女生徒七百名近くが、一瞬のうちに命を落とした。その生死を分けたのは、ある偶然であったにせよ、生き残った者にとっても、この世は煉獄であった──死者への思いと行き場のない憤怒が、終りなき鎮魂の旅へ駆り立てる。二人の被爆者の記録。 -
青春の丘を越えて
歌謡曲「丘を越えて」の作詞者として一世を風靡した詩人・島田芳文の初めての評伝。プロレタリア文学運動に身を投じ、民謡詩を経て、古賀メロディー「丘を越えて」を初め多くの大衆歌謡を手がけた朗々たる詩精神の彷徨の軌跡。元豊前市立図書館長の著者が、波乱にとんだその人生を、青春時代に焦点を合わせ、豊前市在住の地の利を生かし、二十余年の歳月をかけた力作。