戦記– category –
-
戦後誌
戦争直後から、がむしゃらに生き抜いてきた。ふりかえれば茫々たる光景。筑豊・水俣・海峡の力道山── -
井上岩夫著作集[2]小説集
兵士にとっての「戦争」を、自意識の劇の過剰のなかに描き切る。──ひとりの詩人が、現実への深い拒絶と孤絶の果てに、知の狙撃兵となって「世界」を再創造する。「『カキサウルスの鬚』を読み、私は愕然とした。揺るぎない存在感にショックを受け、青ざめた。…小綺麗になった土地や時代の、その地層の最深部から、風化することを拒む一つの意思が恐竜のように起ち上ってくる気がしたのだ。」(宮内勝典・作家) -
井上岩夫著作集[3]エッセイ他拾遺
戦後へ続く酔中夢。批評と諧謔が人間の実相を抉り出す。戦中と戦後を隔つクレバスの闇底で、人という業に対峙し、軍隊という夢魔を撃つ詩精神の実弾。「胸底の洞(うろ)に處女のごとき含羞が隠れていて、生きることは業であるということを、これほどしんしんと悟らせる人も少ない。」(石牟礼道子・作家)。全3巻完結。 -
ごめんねキューピー
駄菓子屋さんにならんだキューピー人形に心をうばわれ、つい、お金もはらわずに……。父を亡くし母をも失った女の子の、戦時中のおはなし。(小学校低学年から) -
麦の穂との約束
1945年6月19日の「福岡大空襲」は、福岡市の3分の1の家屋が罹災し、死者1000人を超えるという大惨事になりました。そして同夜、福岡市を空襲した編隊の1機が飛来し、背振山の山裾に位置する糸島郡雷山村に焼夷弾を落としたことで、8人の方が犠牲になりました。平和のために語り継ぐ戦争紙芝居。 -
ドラキュラ屋敷 さぶろっく
戦後間もない片田舎の村。戦争の影をそれぞれにをひきずる子供達が、あるひと夏の奇妙な出来事を通し、未来に向けて歩み出す……へっぴり腰の少年たちがドラキュラ屋敷で見たものは……(児童書/戦争と平和/小学校中学年以上) -
サイパン俘虜記
1944年8月、4万人を超える犠牲者を出したサイパン島の戦いで捕虜となり、アメリカでの収容所生活を送ることになった一人の元陸軍中尉が遺した記録。サイパン島上陸から九死に一生を得た玉砕戦の実相、そして一年以上にわたる捕虜生活を経て帰国するまでの葛藤の日々を綴った貴重な手記。 -
上海より上海へ
兵站病院の軍医が克明に記した日記をもとに「残務整理」と称して綴った回想録。看護婦、宣教師、ダンサー、芸人、慰安婦、芸妓、女給……戦争の光と闇に生きた女性たちを、ひとりの人間の目を通して刻む。従軍慰安婦・慰安所第一級写真資料。重要資料「花柳病ノ積極的豫防法」兵士の性病対策レポート。 -
祖国を戦場にされて
ビルマの人々が紡ぐひかえめな言葉の中から、日本軍と英印軍の姿が影のように浮かび上がる──。故郷の村を故なき戦場とされた人々は、その時何を見たのか? 六年の歳月をかけて綴る、ビルマが見たビルマ戦 -
ティンサ
ビルマの初代首相バ・モオを父に、反政府活動家を夫に、波瀾に富んだ人生をおくったティンサとその一族の物語。大英帝国の植民地、さらに日本軍政下、時代の理不尽に翻弄されながらも清くたくましく生きたビルマの女性達へのオマージュ。