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May |
「毎日新聞」に全3段広告出稿しました
Posted by 石風社 on
09:50 AM / Category : General
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24
Apr |
本屋と出版社に未来はあるか 2006年4月某日
Posted by 石風社 on
06:05 PM / Category : General
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先日、刊行間近の本の打ち合わせに京都へ行った。駅の書店に立ち寄ると、二〇代と思わしき青年店員が、先輩のオバチャン店員に叱責されている。
「いつまでもバイト気分でやられちゃ困るんだよねぇ」。かなり厳しい口調で、バイト君は半泣き状態。そんなに叱っちゃこの子辞めちゃうよ、と内心ハラハラしたのだが、待てよ、今どきの書店はほとんどがバイトで成り立っているのではなかったか。
「賃金をはるかに越えて重労働だったので辞めます」式の書店バイトは確かに多いらしい。本の利益なんてたかだか二〇パーセント、一〇〇〇円の本を一冊売っても書店の手元に残るのは二〇〇円なんだから、いわゆる本離れが進む今日、書店の雇用環境は悪化の一途なのかも知れない。
「最近の書店員は本を知らない」なんてミソをつけるのは簡単だが、一流(?)の人材を集めるにもそれなりの元手がいるはずで、そうするためにはバンバン本が売れなければならない。すると結局われわれ版元がもっと売れる本を供給すればいいのだというオチへと辿りついてくる。ならば出版社の雇用環境も……。無限地獄である。
「いつまでもバイト気分でやられちゃ困るんだよねぇ」。かなり厳しい口調で、バイト君は半泣き状態。そんなに叱っちゃこの子辞めちゃうよ、と内心ハラハラしたのだが、待てよ、今どきの書店はほとんどがバイトで成り立っているのではなかったか。
「賃金をはるかに越えて重労働だったので辞めます」式の書店バイトは確かに多いらしい。本の利益なんてたかだか二〇パーセント、一〇〇〇円の本を一冊売っても書店の手元に残るのは二〇〇円なんだから、いわゆる本離れが進む今日、書店の雇用環境は悪化の一途なのかも知れない。
「最近の書店員は本を知らない」なんてミソをつけるのは簡単だが、一流(?)の人材を集めるにもそれなりの元手がいるはずで、そうするためにはバンバン本が売れなければならない。すると結局われわれ版元がもっと売れる本を供給すればいいのだというオチへと辿りついてくる。ならば出版社の雇用環境も……。無限地獄である。
13
Mar |
「石風亭」のこと 2006年3月某日
Posted by 石風社 on
01:39 PM / Category : General
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小出版社の台所事情というのはどこも似たり寄ったり、火の車なのだろうが、わが社の台所には電熱コンロが備え付けてあって、週に一度、ささやかな酒宴をもよおしている。先だっても友人、知人に、本屋にブン屋、チンドン屋まで集って、てんやわんやの騒ぎだった。
総勢四人の零細版元だから、編集、営業、電話番に倉庫番と仕事は多岐にわたるのだが、中でも一番大変なのがこの台所番で、もう十年、下手な料理をふるまっている。
もとはといえばウチの社長が「オレ様自慢の手料理と安い酒でも」と気紛れに始めたのが発端なのだが、著者や遠方からの客人をもてなすにも都合がよく、いつしか「石風亭」などという屋号までついてしまった。
たまに本の話が話題に上るていどで凡そ中身のない集いなのだが、回を重ねて親交を深め、知人は友人となり、友人が愛人になったりで、誠に酒は魔物である。
むろん本を作るのが本道であってしょせん道楽に過ぎないのだがやめられない。「本道」と「道楽」、二つあわせて「本道楽」てな訳にはいかないだろうか。ダメ?
総勢四人の零細版元だから、編集、営業、電話番に倉庫番と仕事は多岐にわたるのだが、中でも一番大変なのがこの台所番で、もう十年、下手な料理をふるまっている。
もとはといえばウチの社長が「オレ様自慢の手料理と安い酒でも」と気紛れに始めたのが発端なのだが、著者や遠方からの客人をもてなすにも都合がよく、いつしか「石風亭」などという屋号までついてしまった。
たまに本の話が話題に上るていどで凡そ中身のない集いなのだが、回を重ねて親交を深め、知人は友人となり、友人が愛人になったりで、誠に酒は魔物である。
むろん本を作るのが本道であってしょせん道楽に過ぎないのだがやめられない。「本道」と「道楽」、二つあわせて「本道楽」てな訳にはいかないだろうか。ダメ?
30
Jan |
わがまますぎる客 2006年1月某日
Posted by 石風社 on
12:19 PM / Category : General
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書店は戦場だ。洪水のような新刊の品出し、レジ、補充、返品、雑誌付録のセット組みからホリエ本の緊急撤去まで、店員さんは毎日鬼の形相で働いている。
だがこちらも商売、勇気を奮って声をかけ要点を述べる。運が良ければ立ち話になることもあって、最近では理不尽な一部のお客の話がよく話題になる。
ねぶった指で本をめくるじいさん、バイト情報を携帯で盗撮する学生なんてのは序の口で、本は買わずコピーだけくれというおじさん、読み終わった本の返品を強いるおばさん、さらには「親分の本が置いてない!」とすごむアンチャンまでいるという。
先日伺ったある書店にも「茶色の男」と仇名された常連客がいて、「エロ本が少ない!」と毒づいたかと思えば女性店員に絡み、注意した店員に逆ギレした挙げ句、この二年で買った本といえばたったの一冊。ほとほと手を焼いているという。
ハタキを持って客を追い回す本屋のオヤジも消えた。キョービの客はビョーキだ。この際、「迷惑客防止条例」なんてのもアリじゃないでしょーか。
だがこちらも商売、勇気を奮って声をかけ要点を述べる。運が良ければ立ち話になることもあって、最近では理不尽な一部のお客の話がよく話題になる。
ねぶった指で本をめくるじいさん、バイト情報を携帯で盗撮する学生なんてのは序の口で、本は買わずコピーだけくれというおじさん、読み終わった本の返品を強いるおばさん、さらには「親分の本が置いてない!」とすごむアンチャンまでいるという。
先日伺ったある書店にも「茶色の男」と仇名された常連客がいて、「エロ本が少ない!」と毒づいたかと思えば女性店員に絡み、注意した店員に逆ギレした挙げ句、この二年で買った本といえばたったの一冊。ほとほと手を焼いているという。
ハタキを持って客を追い回す本屋のオヤジも消えた。キョービの客はビョーキだ。この際、「迷惑客防止条例」なんてのもアリじゃないでしょーか。
19
Jan |
食欲vs知識欲? 2005年12月某日
Posted by 石風社 on
05:23 PM / Category : General
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先月、安心院に行った。別にスッポンを食いに行った訳ではなく、ここで毎年開かれている「全国わらこずみ大会」なる催しで新刊『藁塚放浪記』を展示即売、ひと儲けしようという魂胆である。
この本、まさにこの大会のテーマである「わらこずみ」を追って全国の田んぼを訪ね歩いた三十年の写真記録で、この日のために作りあげた一冊だった。来場者は三百人の予想。二割が買って六十冊と踏んでいた。
ところが長机に本を並べていると、隣のテントでおじさんが洋梨を売り出した。聞けば、遠路はるばる山形から来られた一行で、洋梨は地元の特産だという。
「一個百円でっス。味さ見てけれェ」。不安が脳裡をよぎった。さらに後ろのテントでは婦人連がイチゴと牛丼も売り始め、食欲VS知識欲の異種格闘技戦の様相となった。
出足の十冊までは順調だったものの、次第に客足が遠のき始めた。噛みつき攻撃よろしく試食をしてみたがやはり美味い。その後の売上は八冊だった。ところが敵は単価が低い分金額ではトントン。かろうじて痛み分けだったが、はたしてうまそうに牛丼を頬張っている客に二千五百円の本を買わせる秘訣などこの世にあるのだろうか。
この本、まさにこの大会のテーマである「わらこずみ」を追って全国の田んぼを訪ね歩いた三十年の写真記録で、この日のために作りあげた一冊だった。来場者は三百人の予想。二割が買って六十冊と踏んでいた。
ところが長机に本を並べていると、隣のテントでおじさんが洋梨を売り出した。聞けば、遠路はるばる山形から来られた一行で、洋梨は地元の特産だという。
「一個百円でっス。味さ見てけれェ」。不安が脳裡をよぎった。さらに後ろのテントでは婦人連がイチゴと牛丼も売り始め、食欲VS知識欲の異種格闘技戦の様相となった。
出足の十冊までは順調だったものの、次第に客足が遠のき始めた。噛みつき攻撃よろしく試食をしてみたがやはり美味い。その後の売上は八冊だった。ところが敵は単価が低い分金額ではトントン。かろうじて痛み分けだったが、はたしてうまそうに牛丼を頬張っている客に二千五百円の本を買わせる秘訣などこの世にあるのだろうか。
19
Jan |
ある「活字離れ」の現場から 2005年11月某日
Posted by 石風社 on
05:22 PM / Category : General
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先月、校正の仕事で市内の印刷現場に出かけたときのこと。輪転機の音が威勢よく響く工場の二階の片隅に、マッチ棒のような金属片が散乱している。
何だろうと思って訊ねると、何と昔の「活字」で、捨てきれずにとっておいたのが、先の地震で棚ごとぶっ倒れてしまったのだという。
聞けば、今は倉庫になっているこの部屋は、かつて文選工とか植字工と呼ばれた職人さんたちの作業場だったんだそうだ。小人の靴箱のような活字の棚から字を拾っては文章に組む。印刷が終われば版を解き、またもとの棚にしまう。当時はこの工程だけで十数人の職人さんがいたのだという。
今ではこの作業もパソコン一台でほぼまかなえるようになり、わが社の「活字離れ」はとうの昔に完了してしまった。
物欲しそうな目で散らばった活字を眺めていると、「欲しければどうぞ」と仰る。すかさず一番大きな初号活字を五、六本、尻のポケットにしまいこんだ。結構重い。校正を終え、ずり落ちるズボンを殿様のように引きずりながら帰路についたのだった。
何だろうと思って訊ねると、何と昔の「活字」で、捨てきれずにとっておいたのが、先の地震で棚ごとぶっ倒れてしまったのだという。
聞けば、今は倉庫になっているこの部屋は、かつて文選工とか植字工と呼ばれた職人さんたちの作業場だったんだそうだ。小人の靴箱のような活字の棚から字を拾っては文章に組む。印刷が終われば版を解き、またもとの棚にしまう。当時はこの工程だけで十数人の職人さんがいたのだという。
今ではこの作業もパソコン一台でほぼまかなえるようになり、わが社の「活字離れ」はとうの昔に完了してしまった。
物欲しそうな目で散らばった活字を眺めていると、「欲しければどうぞ」と仰る。すかさず一番大きな初号活字を五、六本、尻のポケットにしまいこんだ。結構重い。校正を終え、ずり落ちるズボンを殿様のように引きずりながら帰路についたのだった。
19
Jan |
返品に見え隠れするもの 2005年10月某日
Posted by 石風社 on
05:21 PM / Category : General
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「読書の秋」は「決算の秋」でもある。書店棚卸しのこの季節は例年、ひんぴんたる返品にプンプンしている。
だが戻ってきた本はそのまま捨ててしまうわけではなく、汚れたカバーとオビを巻き替え、周囲をヤスリがけして再生する。注文があれば再び新本として出荷する。
ちょうど四年前の秋に刊行した『医者井戸を掘る』(中村哲著)など、いまだに返品と再生をくり返し、わが社の屋台骨を支えてくれている。版元と書店を行きつ戻りつするその様は、アフガンと日本を往復して暮らす著者に似ていなくもない。
また年内に完結予定の『井上岩夫著作集』に至っては、もう五年の長きに亘って返品の魔の手を逃れつづけ、旧日本兵であった著者さながらに書店というジャングルでひっそりと生き延びている。
さらに、福岡の企業家たちの敗者復活劇を描いた『逆転バカ社長』(栢野克己著)も、一時動きが止まっていたが、ここに来てまた売れ出した。
偶然だろうが、著者の来し方と本の売れ方がシンクロするのは不思議でありまた愉快でもある。
だが戻ってきた本はそのまま捨ててしまうわけではなく、汚れたカバーとオビを巻き替え、周囲をヤスリがけして再生する。注文があれば再び新本として出荷する。
ちょうど四年前の秋に刊行した『医者井戸を掘る』(中村哲著)など、いまだに返品と再生をくり返し、わが社の屋台骨を支えてくれている。版元と書店を行きつ戻りつするその様は、アフガンと日本を往復して暮らす著者に似ていなくもない。
また年内に完結予定の『井上岩夫著作集』に至っては、もう五年の長きに亘って返品の魔の手を逃れつづけ、旧日本兵であった著者さながらに書店というジャングルでひっそりと生き延びている。
さらに、福岡の企業家たちの敗者復活劇を描いた『逆転バカ社長』(栢野克己著)も、一時動きが止まっていたが、ここに来てまた売れ出した。
偶然だろうが、著者の来し方と本の売れ方がシンクロするのは不思議でありまた愉快でもある。
19
Jan |
わが社の隠語? 2005年9月某日
Posted by 石風社 on
05:20 PM / Category : General
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「餃子にタマゴにウサギですね。牛ガエル? ありますよ! キャンディも補充ですね! おおきに」。ガチャ。
唐突だがわが社は別にゲテモノ料理の出前をしているわけではなく、書店から注文の電話を受けていたのである。どれもホントにある書名の一部だが、長ったらしいのでこういう場面では端折ってしまうのだ。
さらに終戦に因んだ企画が増えるこの季節になると、「戦場に空爆を追加ですね。まいど」なんて注文もある。他人が聞けば目をむく会話かもしれないが、これはいわば愛称で、大袈裟に例えると「セカチュー」みたいなもんである。
こんなメモが机上に置かれていることもある。
「オバサンと産婦を各1、医者を5、少年を3。バカは返品。尼僧の腰巻きが外れた。即交換せよ」。新手のフーゾク業といった感じだが、どれもれっきとしたわが社の商品である。因みに「腰巻き」とは業界用語で、オビともいう。
ついにこの秋で二五周年を迎えるわが社だが、普段はこんなやりとりに一喜一憂しているのだった。
唐突だがわが社は別にゲテモノ料理の出前をしているわけではなく、書店から注文の電話を受けていたのである。どれもホントにある書名の一部だが、長ったらしいのでこういう場面では端折ってしまうのだ。
さらに終戦に因んだ企画が増えるこの季節になると、「戦場に空爆を追加ですね。まいど」なんて注文もある。他人が聞けば目をむく会話かもしれないが、これはいわば愛称で、大袈裟に例えると「セカチュー」みたいなもんである。
こんなメモが机上に置かれていることもある。
「オバサンと産婦を各1、医者を5、少年を3。バカは返品。尼僧の腰巻きが外れた。即交換せよ」。新手のフーゾク業といった感じだが、どれもれっきとしたわが社の商品である。因みに「腰巻き」とは業界用語で、オビともいう。
ついにこの秋で二五周年を迎えるわが社だが、普段はこんなやりとりに一喜一憂しているのだった。
19
Jan |
もてなしの唐人町 2005年8月某日
Posted by 石風社 on
05:18 PM / Category : General
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こざっぱりした福岡が嫌いだ。歴史はあるのにデカイお城もなければ古い町並みも殆ど残っていない。お寺も禅寺が中心で何となく地味だ。よそから客人が来ると、毎度どこに連れていこうかと頭を悩ます。確かにどんたくも山笠もあるのだが、年中やってるわけじゃない。仮に一月に来た客に「あれが博多名物のごりょんさんですたい」と指差してみてもただの道行くオバサンである。およそラーメンと刺身を食らわせ、焼酎で潰して終わりというのが、今ふうの福岡の「もてなし」ということになろうか。
だが歴史を繙けば、中国から坊主が、朝鮮から通信使が、江戸から幕府の使節が来るわで、結構大わらわだったのである。特に渡来の人々は福岡を含め九州各地に現地妻を娶って居着き、「唐人町」の名を残している。
そんな福岡の歴史的な「もてなし」のありようと九州の「唐人町」について、近く小社から発行する雑誌『海路』第二号で特集する。この雑誌、博多町人史研究で知られる武野要子氏の主宰で、目からウロコの一二〇〇円、お買い得である。
だが歴史を繙けば、中国から坊主が、朝鮮から通信使が、江戸から幕府の使節が来るわで、結構大わらわだったのである。特に渡来の人々は福岡を含め九州各地に現地妻を娶って居着き、「唐人町」の名を残している。
そんな福岡の歴史的な「もてなし」のありようと九州の「唐人町」について、近く小社から発行する雑誌『海路』第二号で特集する。この雑誌、博多町人史研究で知られる武野要子氏の主宰で、目からウロコの一二〇〇円、お買い得である。
19
Jan |
地方出版流ベストセラーの方程式 2005年7月某日
Posted by 石風社 on
05:15 PM / Category : General
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山笠の夏が来たというのに懐は極めてお寒い状況である。ここらで一発ベストセラーでもかまして赤ん坊のオムツ代を捻出せねばならない。そこで先日、同じ在福出版社の先輩諸氏を市内のB級料亭に招き、「地方出版流ベストセラーの方程式」を伝授してもらうことにした。その夜の話。
最初にある先輩が「ベストセラーなど知らぬ存ぜぬ。欲を出すな」と切り出した。すると別の先輩が「否、二万部三万部は狙えるはずである」と切り返すので、どこでどーしたらそんなに売れるのかと尋ねると、まずは書店に行けという正論から賞を狙え、講演会を開け、同窓会で売れ、果ては著者の葬式で売れという不謹慎発言まで飛び出して議論は百出。最後は、誰からともなく発せられた「そんな夢のような話はいいから早く初刷を売り切らんと…」という溜め息混じりの呟きに皆が賛同、散会となった。
実は以上の話、在福の出版社一〇社が寄り集まって刊行しているフリペ「はかた版元新聞」第一二号に、座談会として掲載予定。比較的大きな書店ならば、七月初めには並んでいるはずである。是非ご笑覧下さい。
最初にある先輩が「ベストセラーなど知らぬ存ぜぬ。欲を出すな」と切り出した。すると別の先輩が「否、二万部三万部は狙えるはずである」と切り返すので、どこでどーしたらそんなに売れるのかと尋ねると、まずは書店に行けという正論から賞を狙え、講演会を開け、同窓会で売れ、果ては著者の葬式で売れという不謹慎発言まで飛び出して議論は百出。最後は、誰からともなく発せられた「そんな夢のような話はいいから早く初刷を売り切らんと…」という溜め息混じりの呟きに皆が賛同、散会となった。
実は以上の話、在福の出版社一〇社が寄り集まって刊行しているフリペ「はかた版元新聞」第一二号に、座談会として掲載予定。比較的大きな書店ならば、七月初めには並んでいるはずである。是非ご笑覧下さい。
19
Jan |
地震にやられた日記 2005年4月某日
Posted by 石風社 on
05:14 PM / Category : General
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四月二十日の余震で、わが社の事務所がまたやられてしまった。中でもひどかったのは在庫置き場である。厄介なことに、本というのはまとまると結構な重さで、鉄製の棚一基に収まっている在庫は一トン近くにもなる。重さに耐えかね、二十基余りある棚が本震、余震と、ドミノ倒しに豪快に倒れた。さすがに二度目はため息が出た。
やられた在庫の中には、売れ残って書店から返品された本、刊行したはいいがまだ一度も書店に並んですらいない本、そして売行き好調本の三種類がある。返品本であっても、再び注文があれば傷んだカバーを巻き代え、再生して出荷することができるが、刊行時から箱入りのまま十数年仮死状態の本もあって、小商人の性か、どうしてもまず売行き好調?の方に「可哀想に!おーよしよし」と救出の手が伸びる。だが売れ残りをこの際だからと処分する決心もつかない。「いつか間違って売れる日が来るかも知れない」と思うからだ。後生楽といわれるかも知れないが、へこたれず、出来るだけ気長に本と付き合っていこうと思う。
やられた在庫の中には、売れ残って書店から返品された本、刊行したはいいがまだ一度も書店に並んですらいない本、そして売行き好調本の三種類がある。返品本であっても、再び注文があれば傷んだカバーを巻き代え、再生して出荷することができるが、刊行時から箱入りのまま十数年仮死状態の本もあって、小商人の性か、どうしてもまず売行き好調?の方に「可哀想に!おーよしよし」と救出の手が伸びる。だが売れ残りをこの際だからと処分する決心もつかない。「いつか間違って売れる日が来るかも知れない」と思うからだ。後生楽といわれるかも知れないが、へこたれず、出来るだけ気長に本と付き合っていこうと思う。
19
Jan |
『笑う門にはチンドン屋』制作余話 2005年3月某日
Posted by 石風社 on
05:08 PM / Category : General
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一冊の本ができるまでには凡そ四カ月はかかるのが相場だが、そもそも著者と知り合ってからの年月を数えると、短くて二年、長いものだと三十数年という本もあって、金婚夫婦なみの付き合いである。聞いた話では付き合いが過ぎて「どつき合い」になったケースもあるらしいが、幸いにしてまだそういう経験はない。
この春刊行した『笑う門にはチンドン屋』(安達ひでや著)は八年がかりの仕事だった。著者は地元福岡の「アダチ宣伝社」を率いる親方で、つい先月の全日本チンドンコンクールでも見事優勝、今や業界屈指の元気チンドン屋である。
親方とは、三年前ある別の新刊に関連してライブを企画した際、出演をお願いして以来の縁なのだが、実はそれよりさらに遡ること五年前、親方たちが天神の路上で派手にやっている姿に見惚れ、「いつかこの親方の本を出そう」と秘かに網を張っていたのである。
原稿執筆に半年、制作に二年費し、ようやく本ができあがった。親方とはあと何年の付き合いになるんだろう。
この春刊行した『笑う門にはチンドン屋』(安達ひでや著)は八年がかりの仕事だった。著者は地元福岡の「アダチ宣伝社」を率いる親方で、つい先月の全日本チンドンコンクールでも見事優勝、今や業界屈指の元気チンドン屋である。
親方とは、三年前ある別の新刊に関連してライブを企画した際、出演をお願いして以来の縁なのだが、実はそれよりさらに遡ること五年前、親方たちが天神の路上で派手にやっている姿に見惚れ、「いつかこの親方の本を出そう」と秘かに網を張っていたのである。
原稿執筆に半年、制作に二年費し、ようやく本ができあがった。親方とはあと何年の付き合いになるんだろう。



