コラム「山の暮らし」を更新しました。
風、きらめく2
「……いつも散歩する西上の雑木林は一見濃く暗い常緑・落葉樹林だが、細長く高い部分にしか葉が残っていないのが多く、幼・若木は見かけない。立ち枯れの木やむき出しになった太い根や根こそぎ倒れた巨木がやたらと目につくようになった。明らかに鹿と、山中を掘りかえしている猪等が増えすぎているからだろう。つまるところは山里を放棄しようとしている我々人間の責任なのだが。この砂漠のような世界から雑草園を見るとまるでオアシスだ。柔らかな緑の生命にあふれている。鹿が入りたくなるのも無理ない。彼らも生きていくのに必死なのだ。……」