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母の味
筑紫平野の東隅福岡県朝倉郡三奈木村に育った少年の記憶に残る母の味そして年中行事――若い日の母の姿煮炊きした竃の火朝早くから漂ってくるみそ汁の味が昨日のことのようによみがえる 今、心に残るのは、子どもたちが主となる村の年中行事に伴うご馳走である。正月は、ほうけんぎょう・さぎっちょ。春は、遠足。夏は、およど・盆綱引... -
野村望東尼 姫島流刑記
筑前勤王党二十一人が自刃・斬罪に処せられた慶応元年の乙丑の獄。歌人野村望東尼も連座。糸島半島沖の姫島に流罪―― 野村望東尼は平野国臣ら勤王の志士と交流を持ち、高杉晋作を匿ったことでも知られる幕末の勤王歌人。本書は、望東尼直筆の稿本を翻刻し注釈を加えた流刑日記である。 「筆者が意図するところは次の三点である。 一つは... -
デフォルメ鏡
認知症者の中に自分を発見する――私は一介の臨床家として認知症者や共に生きる人々の触媒のような存在でありたい 認知症に対しては、科学的・医学的に究明する立場と、人間主義やノーマライゼイションの立場が主流であり、そこには、なお、認知症者と非認知症者という対立的関係が潜在している。著者は、認知症者と非認知症者の間の差異では... -
黄金の駒
会津磐梯町の石仏その中の馬頭観音にまつわる大蛇と龍のふしぎなお話 ある時ひとりの若者が、大沼で大蛇に乗った美しい娘に会った。若者は、娘の頼みで備前まで旅に出る。そこで待っていたのは、龍に乗った美しい少年。若者は、思いがけない富を得るのだが……。 (絵本の)原作は、あいづの昔話として伝承されています。物語の町(... -
だけど だいじょうぶ
三池の炭鉱社宅で育った少年が「特別支援」学校の教員になった「障害」のある子どもたちとくんずほぐれつ心を通わせていった一教員の実践と思考の軌跡――「我在り ゆえに我思う」 学校には、家族の愛情をいっぱい受けながら通っている子もいるが、やって来る子どもたちの多くは、さまざまに苦しい事情をかかえている。 「できない、... -
地球を翔た異風者
佐賀にひとり桁はずれの漢がいた日本人としての矜持を胸に、常識に抗いつつ、その目をアジアにむけ続けた、五十七年の破天荒な生涯 アジアシンポジウムで、武夫はタイのソーシャルワーカーの発言を耳にし、心臓に氷の突き刺さる思いをした。「日本人はバナナだ。外は黄色でも中身は白色。欧米人と一緒、アジア人ではない」武夫は自分が... -
鉄を鍛(たた)く
暗闇の中に希望を見い出すために鉄を鍛きつづける――バングラデシュからロンドンまで、鉄と格闘しつづけた彫刻家・四十年の軌跡とエッセンス。A5判上製120頁、口絵カラー56頁。 「鉄による知的発達」 1987国際鉄鋼彫刻シンポジウム - YAHATA‘87東田高炉公園 北九州市「VOICES」 個展 2001Pitt Rivers Museum Oxford UK「白色化」 ... -
子どもたちの問題 家族の力
子どもたちは 無意識の底で「それはちがう」と ささやく――不登校非行虐待性的虐待発達障害思春期危機……子どもたちが抱えるさまざまな問題に大人と家族はどう向き合えるか 子どもを騙すことは現実には容易である。特に十歳未満の子どもには白を黒と言い含めることもできる。そしてそういう大人たちでこの世は溢れかえっている。 ... -
〈進学校〉校長の愉しみ
「不健全な業界人」でなく「健全なる素人」をめざせ 一数学者が、不思議な縁で〈進学校〉の校長となって、若者たちと向き合い考えた。 ============================== 「健全なる素人」というのは、皆さんは余り目や耳にしたことはないと思いますが、少し前から、わたくしは、いろいろな折に書いたり話したりしてい... -
原三信と日本最古の翻訳解剖書
杉田玄白の『解体新書』に先立つこと87年――日本最古の翻訳解剖書があった1686年、筑前藩医・六代原三信が長崎・出島にて蘭方外科医の免状を受けた。その翌年、ヨハン・レメリン著『小宇宙鑑』の翻訳解剖書(本木庄太夫訳)の筆写を終える。1774年刊行の『解体新書』に先立つこと87年。日本最古の翻訳解剖書写本である。---------------------...