水俣病事件と法

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水俣病事件における企業・行政の犯罪に対して、安全性の考えに基づく新たな過失論で裁判理論を構築。工業化社会の帰結である未曾有の公害事件の法的責任を糾す。──水俣病事件と共に生きてきた一法律学者の二十五年におよぶ渾身の証言集。

目次

1 水俣病裁判論序説
2 水俣病事件と法
   水俣病患者の補償問題  公害法の視点
3 水俣病訴訟の法的諸問題
4 水俣病認定と法
   「認定」と行政  医学診断と「認定」
5 水俣病裁判とともに
   水俣病裁判の意味  水俣病と刑事訴追  未認定患者と訴訟  行政の水俣病対策
6 水俣病の過去・現在・未来
   第三水俣病問題と医学  補償協定の空洞化と和解  幻のもうひとつの日本
7 水俣病事件関係資料
   資料  水俣病事件裁判一覧

著者略歴
富樫貞夫
[とがし・さだお]

1934年山形県生まれ。1959年東北大学法学部卒業。
東北大学法学部助手を経て、1962年熊本大学法文学部講師。同学部助教授・教授を経て、熊本大学法学部教授。
民事訴訟法・公害法専攻。1969年より水俣病研究会会員として水俣病事件に取り組み、現在にいたる。
本書所収の論文のほか、水俣病事件、訴権論史、ナチ・ドイツの政治司法などに関する論文を発表。

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