書評

極楽ガン病棟

極楽ガン病棟 坂口良 がん ガン 癌 闘病 坂口 良 肺 脳腫瘍 手術 漫画 医療 入院 再発 コバルト 転移 病院 石風社
306頁 四六判並製
4-88344-020-6
定価:本体価格1500円+税
1997/05/01発行
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極楽ガン病棟
zeikomi
¥0円


敵は病か病院か? 超ポップで明るい闘病記


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極楽ガン病棟
zeikomi
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やっと漫画家デビューした34歳で肺ガン宣告。さらに脳に転移しての2回の開頭手術。患者が直面する医療問題(薬の知識、お金、入院)をベースに、生命がけのギャグを繰り出す超ポップな闘病記。──敵は病気か病院か、めざせ不屈のガン患者!

書評

面白くてためになる闘病記

 福岡市の石風社から刊行の「極楽ガン病棟」は、面白くてためになる闘病記だ。けれども、笑いは軽薄でなく、〈いやし〉の安売りはないから、誤解なきよう。
 ガン家系の私が、もし入院することになったら、迷わずこの本を持っていく。自分のためだけでなく、医療関係者の眼につく枕元に置くだろう。
 第一に入院生活の指南書として明るく具体的である。闘病日誌が、検査や薬、手術の前後の様子から医者や看護婦、同室者とのやりとりにまで及び、笑いと共感をもって読むうちに、病院暮らしのノウハウと勇気を得ることがことができる。気掛かりな治療日数と費用、その還付金まで教示の本はめったにない。
 第二に読み物として優れている。多くの闘病、看病記は、頭を下げるのみで書評ご法度というのが礼儀であろう。が、本書の自己を含めた人間描写の鋭さとユーモアのセンス、その知力、筆力にはただ、脱帽。
 著者の坂口良氏は「免疫力アーップ」が口癖の「不屈のガン患者」。若き漫画家で、カットの自画像はトホホホ感のボケ顔だが、顔写真は青年僧のように端正。この誠実なサービス精神もお見事。

目次紹介- 抜粋 -

第一部 コバルト照射の日々
 薬の山、これ全部飲むのかなあ
 髪よさらば
 医師との会話は難しい
 プライバシーの問題
 ホスピスについて
第二部 脳の再発手術
 彼等は増殖している
 九大病院正門に立つ
 骨盤へ転移……
 ナースウォッチャー ほか

坂口良

さかぐち・りょう

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坂口良
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さかぐち・りょう

1958年、山口県防府市生まれ。徳山高専電子工学科中退。
27歳の時「プレイコミック」(秋田書店)で漫画家デビュー。34歳の時「Men’s アクション」(双葉社)で初連載。
1992年末肺がん発症。5回の入院で、肺の手術と2回の開頭手術を行なう。
1997年9月死去。享年38歳。