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「樺太・紙の記念館」にむけて
記憶を歴史に
『わが内なる樺太』(石風社)の著者が、〈樺太〉を忘却の淵に沈めぬために記した渾身の書
「自らの歴史は、自らが紡がなくては」と樺太生活者たちの記憶に働きかけ、その記録化を立案推進した一人の編集者がいた。
その手掛けた膨大な記事から厳選し、「樺太・紙の記念館」構想とその現代的意味を問う。
「樺太」は、
もはや無く、既にない。
わたしの生地であり、
故郷である。
プロローグ
本書編集前記
無いものについて ——樺太小考
樺連情報全仕事
—— [グランドデザイン]
持続する勲章 ——六〇〇号の意味するもの
『樺連情報』史 ——エディターシップの視点から
—— [樺太・紙の記念館]
A 日露戦争時の樺太占領と植民史
樺太拓殖策 53/蝦夷闔境輿地全図
「豊原市職業別明細図」(昭和13年7月刊)から /樺太の気象
B 近代樺太四十年間の生活文化
書棚に故郷を読むと /樺太日誌抄
C 敗戦による島民の引揚げ、以後のソ連・ロシアによる実効支配後の変化
曖昧がもたらすもの ——「地図」の中の「樺太」について
D 外から見た樺太像
樺太ブックレビュー——活字の中の〈樺太〉を求めて
—— [クロニクル]
年譜・記事リスト
余言抄
余言抄(2000年1月〜2014年11月)
白塗りの地図
忘却の彼方へ/樺太の詩人
地上はシームレス 陸地に国境のない国に
解説
三つの記念館 ——運動方法論としての読み解き
エピローグ
著者あとがき
編者後記
初出・参考文献一覧
1930年、樺太大泊町生まれ。
北海道大学文学部国文科卒。北海道立札幌南高等学校、藤女子高等学校、成城学園高等学校、アルザス成城学園で教鞭を執り、成城学園教育研究所長で定年退職。社団法人全国樺太連盟理事を経て、現在に至る。
著書『日本文学研究資料叢書・高村光太郎・宮沢賢治』(有精堂)、『明解日本文学史』(三省堂)、『書く力をつけよう』(岩波ジュニア新書)、『現代文研究法』(共著、有精堂)、『講座日本現代詩史』(共著、右文書院)、『現代詩の教え方』(共著、右文書院)、『現代詩の解釈と鑑賞事典』(共著、旺文社)、『わが内なる樺太 外地であり内地であった「植民地」をめぐって』(石風社)その他多数。
1964年、福岡県生まれ。1980年、成城学園高等学校にて工藤信彦氏の担任のもと指導を受ける。早稲田大学大学院理工学研究科(物理)修士。1990年より株式会社NTTデータに勤務。専門はITサービスマネジメント。