デューラーと共に
ネーデルラント旅日記

著者:
辻信太郎
判型・頁 四六判上製 263頁
ISBN 978-4-88344-297-3
定価 2200円(本体2000円)
発行日 2020/11/20

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五百年の時を超えた
オランダ
ネーデルラント
との出会いの旅
 
 
旅することは、思考し、回想し、もうひとりの自分と出会うこと
 
 
 要するに、オランダが繁栄した理由は、他国に先駆けた中央集権的制度や組織の存在などではなく、そうしたものの欠如、つまり国家の干渉がなかったことにこそ求められるべきであるとホイジンガは結論する。
 逆さまに述べれば、繁栄の理由は「中世の人々が自由と呼んだあの極端に排他的な形態をとる組織を固守したことであった。そのような組織とは、それぞれ自己の圏内では厳しい拘束を課し、局外者はできる限り排除するけれども、中央政府からはなんらの制限も加えられないところの、あらゆる独立小自治体のことである」ということになる。(「『レンブラントの世紀』を読む」より)
 
 

目次

 まえがき

デューラーと共に『ネーデルラント旅日記』を読む
 はじめに
 税関巡り
 ネーデルラントの風景
 河川洪水古今東西
 ゼーラントの旅・危機一髪
 歯科通院とグローバル化
 スケート・マラソンとアムステルダム・マラソン
 目的成就
 中世の秋の世界
 百代の過客

水の都の街角で――晩秋のアムステルダム
 はじめに
 アムステルダム国立美術館
 ファン・ゴッホ・ミュージアム
 コンセルトヘボウのランチコンサート
 アルメーレ フレーボラント
 道案内
 運河の散歩
 サマータイムの終わり 列車の中で
 南へ北へ ハーデスレブ ロンドン バーゼル 
 姉妹都市ハイデルベルク訪問
  ――バーバラ・ガイスラー嬢との再会
 旅との出会い
 アルメーレ再訪
 レリースタット
 ファンヴァルサン氏のこと
 フランス・ハルス美術館の思い出
 帰り道
 帰国

『レンブラントの世紀』(ヨハン・ホイジンガ著)を読む
 はじめに
 十七世紀、オランダ独自の繁栄
 都市について
 社会について――寛容ということ
 芸術について
 油彩画
 フランス・ハルスとフェルメール
 彫刻と建築
 凋落の兆し

『チューリップ・バブル』(マイク・ダッシュ著)を読む
 はじめに
 ヨーロッパ伝来
 チューリップの父
 ブーム到来
 チューリップの王者
 オランダ人気質
 チューリップ狂時代
 バブル崩壊
 チューリップ博士
 風刺文学・風刺画の登場
 兵どもが夢のあと

低地オランダの都市美
 はじめに
 都市計画情報センター
 都市としてのアムステルダム
 デルタ・プロジェクト
 芸術と都市美
 美術館の建築 都市の建築
 終わりに

水の都の風景
 はじめに
 ヴェネチア
 アムステルダム
 ヒートホールンと柳川市
 熊本市
 絵画と水の都の風景

帰国後の映画や展覧会から
 映画「みんなのアムステルダム国立美術館へ」
 「ゴッホ」展
 「オランダ・ハーグ派」展
 「風景画の誕生」展
 「バベルの塔」展

著者略歴

1959年熊本市生まれ。
国立熊本電波高専中退。熊本商科大学卒業。
現在、熊本市役所職員。人間学研究会会員。
著書に『スコール! デンマーク 塔のある風景』(石風社)

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