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旅にでて日々ひとを好きになる
ヨーロッパ・アフリカ大陸縦断 自転車ひとり旅
旅にでて ひとに会い
日々を 好きになり
見知らぬ 自分に出逢った
南北アメリカ大陸縦断のあと、欧州最北端からアフリカ南端・喜望峰まで、43,780キロを1,278日間で縦断。訪れた国は、ヨーロッパ36カ国、アフリカ23カ国。
この本は自転車に乗って何カ国跨いだかや何万キロ走破したかの冒険記録ではなく、この時代の人間の世界を写し込んだ作品である。革命に参加した初老男性の回想。ある中年女性とのコンソメスープの話。生きるために毒を飲む兄弟。サラエヴォの壁に刻まれた銃痕の意味。砂漠の小学校に通う少年の新しい夢。腕を切られ目を潰された女の子の記憶。木の自転車に乗る子どもたち。
自転車に乗って人間の世界を見つめ続けた末、悲しいほど愚かな部分を持ち合わせながら、それでも人間は捨てたものではないと思うようになっていく旅の軌跡。
旅のはじめに 1
Ⅰ ヨーロッパ
第一章 凍てついた冬(ノルウェー)
第二章 起き上がる風景
(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)
第三章 春の陽射し(イギリス、アイルランド)
第四章 ビールと毛布(フランス、ベルギー、オランダ)
第五章 人生の夏
(ドイツ、デンマーク、エストニア、チェコ、ポーランド)
第六章 一〇グラムのコンソメスープ
(ポーランド、ブルガリア、セルビア)
第七章 具のないパスタ
(イタリア、マルタ、フランス、スペイン、ポルトガル)
Ⅱ アフリカ
第八章 ゴミになった折鶴(モロッコ、西サハラ)
第九章 砂漠の日々(モーリタニア)
第十章 アフリカの風
(セネガル、ガンビア、ギニア、西アフリカ)
第十一章 腕を切られた記憶(シエラレオネ)
特別編 マラリア雑記(リベリア、コートジボワール、日本)
第十二章 押し花とボコ・ハラム(ベナン、エチオピア、ウガンダ)
第十三章 ユーカリとトタン屋根(ルワンダ)
第十四章 縞になった秋
(ルワンダ、タンザニア、ザンビア、ボツワナ、南アフリカ)
旅のおわりに
旅の資料
あとがき
1982年山口県生まれ。テレビのない家に生まれ本に囲まれて育つ。大学在学中から自転車の旅をはじめ、以降、33歳まで日本と世界を行き来しながら旅を続けた。これまでに南米縦断、北南米縦断(自転車世界一周 stage1)、ヨーロッパ・アフリカ縦断(stage2)を行う。走行距離9万キロ。自転車による両極点到達を視野に入れていたが、旅の中で方向を転換、一旦、旅から離れることを決意。帰国後は南スーダンやパレスチナ難民の取材を行い、現在、広島大学大学院で平和構築・紛争予防を学んでいる。ビール、アフリカ、ネコが好き。数字、整理整頓、努力は苦手。アジア・オセアニア横断を自転車世界旅の最終ステージと位置づけている。「旅峰」は本名。