山本作兵衛

 炭坑記録画家。
 1892年福岡県生まれ。幼いころから兄とともに炭坑の仕事を手伝い始め、立岩尋常小学校を卒業後、1906年に山内炭坑(現・飯塚市)の炭鉱員となった。以後、採炭員や鍛冶工員として、筑豊各地で働きながら、日記や手帳に炭坑の記録を残した。
 田川市にある炭鉱事務所の宿直警備員として働き始めた60代半ばに、「子や孫にヤマ(炭坑)の生活や人情を残したい」と絵筆を取るようになり、自らの経験や伝聞を基に、明治末期から戦後にいたる炭坑の絵を日記や広告紙の裏などに描くようになる。余白に説明を書き加える手法で1000点以上の作品を残した。1965年田川市教育功労者賞を受賞。1975年田川市文化功労者賞を受賞。1977年第36回西日本文化賞を受賞。1981年福岡教育文化功労者賞を受賞。1984年死去。
 2011年に絵画や日記、雑記帳や原稿など、計697点の「山本作兵衛コレクション」が国内で初めてユネスコ「世界の記憶(世界記憶遺産)」へ登録される。