• 王塚跣

  • おうつか・せん

1917年福岡県田川郡川崎町生まれ。本名大塚正。1938年下関重砲連隊入隊。復員後八幡製鉄所労働課に入る。「九州文学」「九州作家」同人。作家。
『筑豊一代』は朝日新聞の一千万円懸賞小説に応募して、三浦綾子の『氷点』につぐ佳作になりその後朝日新聞社から出版された。「著者は九州に住み、この小説の舞台である筑豊炭鉱地帯は隅から隅まで知り尽くしている。溢れるような迫真力がある。炭坑の納屋制度は特殊な世界で、官憲の干渉も排除する一種の治外法権地帯だ。したがって、常識の理解を超えた習俗もある。それだけ裸の人間群像を見ることができる」(松本清張「推薦のことば」より)。
 他に『火焔樹』、『性と死のバラード』、『七枚半の人生』、『王塚跣著作集』がある。1995年に死去。

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