書評

ぼくのうちはゲル

バーサンスレン・ボロルマー  ぼくのうちはゲル 石風社 絵本 モンゴル ゲル 野間 国際 コンクール グランプリ 長野ヒデ子 遊牧民 宿営地
32頁 A4判上製
4-88344-134-2
定価:本体価格1500円+税
2006/04/30発行
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ぼくのうちはゲル
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モンゴル・遊牧民の四季


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ぼくのうちはゲル
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「ぼくの さいしょのうちは まあるい かあさんの おなかのなか。このうちは かあさんのやさしさで いっぱい。ぼくが どんどん おおきくなり おなかのなかが きゅうくつになった」そして宿営地のゲルで生まれた男の子ジル。家族や家畜とともに、春夏秋冬と宿営地をめぐる、モンゴル遊牧民の四季と生活の絵本。野間国際絵本原画コンクール・グランプリ受賞作。

書評

さながら民族博物館で本物を見ているよう

平井妙子

 モンゴル遊牧民の男の子ジルの最初のうちは、まあるいかあさんのおなか、二番目のうちはとうさんの作ってくれたまあるいゆりかご、三番目のうちもまあるいゲル。このゲルで、四季の土地を巡る遊牧民の暮らしを、ジルの最初の一年間の成長に重ねた絵本である。
 作者ボロルマーは、1982年生まれの若い女性。モンゴル美術大学を卒業しウランバートル在住。十代から数多くの児童書・教科書に挿絵を描き、高く評価され、日本では04年に『モンゴルの黒い髪』で注目をあびた。なるほど、絵が素晴らしい。ゲルの中の様子、家具、生活雑具、民族衣装、髪型、そして家畜との暮らし等、頁をめくる毎に、さながら民族博物館で本物を見ている様な錯覚に陥る程、細かく丹念に描いてあり、圧巻といえる。
 さて、ジルの四番目のうちは、見渡す限りまあるく広がる大草原である大地。作者のモンゴルの文化や自然と共にある生活に対する愛情が画面から溢れる一冊。

バーサンスレン・ボロルマー

ばーさんすれん・ぼろるまー

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バーサンスレン・ボロルマー
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バーサンスレン・ボロルマー

1982年生まれ。モンゴル文化芸術大学美術学部卒業。
幼少より絵を学び、モンゴルの児童書や教科書に多数挿絵を描く。
2004年『モンゴルの黒い髪』(長野ヒデ子訳、石風社)が第19回国民文化祭上陽町絵本大会グランプリを受賞(文部科学大臣奨励賞)、同年『ぼくのうちはゲル』(長野ヒデ子訳、石風社)が第14回野間国際絵本原画コンクールグランプリを受賞。同作はカナダでも出版される。さらに2008年第1回家族のきずな絵本コンテストで優秀賞を受賞、09年第10回ピンポイント絵本コンペで優秀賞を受賞(ともにイチンノロブ・ガンバートル文)する。2010年『ぼくうまにのりたい』(イチンノロブ・ガンバートル文、津田紀子訳/「おはなしプーカ」2010年8月号/学研)、『お月さまにいるのはだあれ?』(中川素子企画、津田紀子訳/文教大学出版事業部)を出版。
2008年4月に来日し、現在文教大学で学んでいる。

長野ヒデ子

ながの・ひでこ

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長野ヒデ子
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ながの・ひでこ

長野ヒデ子。1941年愛媛県生まれ。
1976年『とうさんかあさん』(日本の絵本賞受賞)以来、何気ない生活の中から独特の世界を創りだしている絵本作家。
主な絵本にロングセラーの『おかあさんがおかあさんになった日』、『おとうさんがおとうさんになった日』『せとうちたいこさんデパートいきタイ』のせとうちたいこさんシリーズや、『こちょこちょこちょ』、また諫早湾を舞台に『海をあけして!』は話題作(以上童心社)。『狐』『となりのまじょのマジョンナさん』(以上偕成社)、『いのちは見えるよ』(岩崎書店)、『おばけいちねんぶん』(小学館)、『はみがきごっこ』(佼成出版社)など作品多数。また「ネコのたいそう」「おひさまにこにこ」(童心社)等紙芝居作品も多い。エッセイ集『ふしぎとうれしい』(石風社)は著者の作品の舞台裏がたのしく元気が出る。2013年、『演じてみよう つくってみよう 紙芝居』(編著、右手和子、やべみつのり共著、石風社)刊行。
日本児童文学者協会会員、日本児童出版美術家協会会員、JBBY会員、絵本学会会員。鎌倉市在住。