石心
囲碁棋士・大竹英雄小伝

インタビュー:
井口幸久
判型・頁 四六判上製 319頁
ISBN 978-4-88344-235-5
定価 1870円(本体1700円)
発行日 2013/08/20

ネット書店で注文

美しい棋譜を残したい―――。
わずか9歳で故郷・北九州を離れ、昭和囲碁界の巨星・木谷實に入門。呉清源、坂田栄男、林海峰、石田芳夫、趙治勲、小林光一……数々の強豪と凄絶な名勝負を繰り広げた至高のマエストロが、その半生を語る。
*囲碁史に残る名局の棋譜多数収録!

目次

序 章 

第一章 使 者 

「鉄の街」八幡で生まれる
 あだ名は「豆雷電」
 手作りの「詰碁カード」
「天才少年を発見。目下交渉中」
 木谷實という「使者」

第二章 入 門 

 庭を耕し自給自足
 動物と〝以心伝心〟 
 実子も内弟子も平等 
 野生の碁
「絣組」のころ 
「負けた碁」に学ぶ
 石田君、加藤君が入門 
 人前では勉強しない
 強者ぞろいの内弟子生活
 木谷先生が倒れる

第三章 立 志 

 師との対局 
「道」という指導法 
 十八歳で独立 

第四章 宿 敵 

「ヒデオ モウチョウニテ ニュウインス」
 林海峰さんとの三番碁 
 囲碁界の「柏鵬対決」 
 終盤の修羅場 
 チクリン・コンビ
 全体を観察する 
 手順を「編む」

第五章 革 命 

「怪童丸」 
 初手天元で「マネ碁」 
 新布石 
 騒然となった囲碁界
 囲碁の高速化 
 本因坊秀哉の引退碁 
 伝説の鎌倉十番碁 
「コミ碁」の採用 
 名局は名局 
 川端先生の最期

第六章 挑 戦 

「帝王」への挑戦 
 呉先生の「勘違い」
 日中の「コウ争い」

第七章 進 撃

 第一期名人戦の「ジゴ」事件 
 林さんの快挙 
「大坂田」への挑戦 
 厚みを築き、好機を待つ 
 大活劇 
 初のタイトル

第八章 先 達

 生涯現役、杉内雅男先生
 名調子、梶原武雄先生 
 本因坊九連覇、高川格先生 
「変幻流」山部俊郎先生 
「原爆対局」岩本薫先生 
「天才」橋本宇太郎先生 

第九章 栄 冠 

 名人戦騒動
 同門による頂上決戦
 話題を呼んだ投了
 激戦となった最終局 
 一進一退 
 最終盤の大コウ 
 栄冠、そして師の訃報 

第十章 苦 闘 

 雪辱期したチクリン再対決
 絶妙手 
 アリ地獄 
 薄氷の防衛 
「治勲ちゃん」来日 
 無勝負事件 
 天王山の死闘 
 痛恨の一手 

第十一章 美 学

 洞察力の源 
「対局中に歯が飛んだ」
 囲碁一家、小林光一君 
 大竹マジック 
 盲点 
「囲碁界の恩人」、加藤正夫君の死

第十二章 交 遊 

 竹遊楽碁会 
 大竹野草合唱団
〝囲碁兄弟〟
 ハードボイルド小説に登場 

第十三章 時 代 

 女性ファンも増加 
「新しい酒は新しい革袋に」 
 棋道 

終 章 

  資料編1 大竹英雄激闘譜 
  資料編2 大竹英雄の主な棋歴
  資料編3 本書に出てくる主な囲碁用語

人間の魅力について  原 尞(小説家)

著者略歴
井口幸久
[いのくち・ゆきひさ]

1956年、福岡市生まれ。1980年東京商船大学卒。同年、西日本新聞社入社。鹿児島総局、北九州支社、社会部、宮崎総局、文化部長、佐賀総局長を経て2011年より東京支社に勤務。著書に『介護タクシーを知っていますか』(2002年、角川書店)『小伝・弥勒先生』(2006年、西日本新聞社)がある。

石風社より発行の関連書籍
関連ジャンルの書籍