波佐見焼ブランドへの道程

編:
長崎県立大学学長プロジェクト
判型・頁 A5判並製 255頁
ISBN 978-4-88344-262-1
定価 1650円(本体1500円)
発行日 2016/03/01

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無名であることを 誇りとしてきた 波佐見焼

江戸時代 日本中を席巻した 「くらわんか碗」の伝統が、 カジュアルで 高いクオリティとセンスをもって 現代に甦る

江戸時代から「くらわんか碗」という庶民の飯碗を大量に生産し、京都・大阪まで販売していた波佐見は、戦後の経済成長を背景に地域としての分業生産体制をとるようになった。食器をとおして庶民の食生活に与えた影響は大きく、産地としての認知度は低くても経済の発展にともない、産地も追い風を受けてきた。しかし日本人の食生活のスタイルが変化し、安価な食器が海外から輸入され、生活食器の販売が伸び悩むなか、産地として今後どのような方向をめざすのか模索が始まった。(「まえがき」より 長崎県立大学教授 古河幹夫)

目次

まえがき

第1章 つくる

 座談会 波佐見焼の現状をどう切り拓くか
    児玉盛介/広田和樹/中尾善之
    /團 浩道/松尾一朗/岩重聡美/古河幹夫

 産地の中にあって差別化を試みる
    白山陶器㈱代表取締役社長 松尾慶一

 カジュアルだけど高品質
    重山陶器㈱専務取締役 太田幸子

 ユーザーの要求に柔軟に対応
    長谷川陶磁器工房
    /クラフトデザインラボ代表 長谷川武雄

 少量多品種が特徴
    陶房 青 吉村聖吾

 物語をつくりだす
    陶芸家 長瀬渉

 もうこだわりだらけ!
    ㈲マルヒロ 馬場匡平

 もっとデザイナーをひきつける
    陶磁器デザイナー 阿部薫太郎

第2章 つかう

 テーブルウェア・フェスティバルに見る消費者トレンドと波佐見焼
    テーブルウェア・フェスティバル
    エグゼクティブプロデューサー  今田功

 センスと食育
    テーブルコーディネータ 田中ゆかり

 食器と食文化
    「分とく山」料理長 野崎洋光

 若者に魅力の波佐見
    カフェ「モンネ・ルギ・ムック」主宰 岡田浩典

 文化薫る陶磁器産地をめざして
    波佐見焼振興会会長 児玉盛介

第3章 つたえる

 座談会 地域連携と波佐見
    古河幹夫/西島博樹/谷澤 毅
    /岩重聡美/綱 辰幸/山口夕妃子

 巨大窯の時代 17世紀末~19世紀前半代の波佐見窯業
    波佐見町教育委員会学芸員 中野雄二

 長崎からブランド発信
    長崎県物産振興協会専務理事
    /元長崎県窯業技術センター所長 山夲 信

 共同体の意味と波佐見焼の継承
    元NPO法人グリーン・
    クラフトツーリズム代表 深澤 清

 波佐見焼生産者の動向と自治体における産地振興策
    長崎県立大学経済学部教授 綱 辰幸

 文化と芸術のある地域づくり
    長崎県立大学経済学部教授 古河幹夫

著者略歴
長崎県立大学学長プロジェクト
[ながさきけんりつだいがく・がくちょうぷろじぇくと]

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