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地球を翔た異風者
古賀武夫伝
佐賀にひとり
桁はずれの漢がいた
日本人としての矜持を胸に、常識に抗いつつ、その目をアジアにむけ続けた、五十七年の破天荒な生涯
アジアシンポジウムで、武夫はタイのソーシャルワーカーの発言を耳にし、心臓に氷の突き刺さる思いをした。
「日本人はバナナだ。外は黄色でも中身は白色。欧米人と一緒、アジア人ではない」
武夫は自分が責められているような気がした。我々が欧米ボケしている間にも彼らは厳しい目で日本や日本人を見つめていた。世界人口の六割を抱え、我々の毎日の生活が依存し、我々を産み育てた母なるアジア。その一員である現実を忘れ、同胞を無視していた。おまえは本当にアジア人なのか……。(本文より)
目次
プロローグ
第一章 泣き虫
第二章 悪友
第三章 バンカラ
第四章 自立
第五章 留学
第六章 結婚
第七章 地球市民の会
第八章 アジアへの視線
第九章 テラトピア
第十章 同志
第十一章 道場
第十二章 酒
第十三章 人間の翼
第十四章 ミャンマープロジェクト
第十五章 家族
第十六章 零戦
第十七章 夢の学校
第十八章 いのちのまつり
第十九章 病魔
第二十章 受け継がれる魂
エピローグ
あとがき
古賀武夫の歩み
著者略歴
1959年北海道生まれ。東北大学文学部東洋史科卒業。出版社勤務を経て、1993年よりフリーに。教育・医療分野を中心としたルポルタージュを多数手掛ける。2008年に活動拠点を郷里に移し、小説や童話などの創作活動に専念。
著書に『ヘタな人生論よりやっぱり「論語」』(河出書房新社)などがある。