母の味
三奈木村の年中行事とともに

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著者:
安陪光正
判型・頁 A5判並製156頁
ISBN 978-4-88344-285-0
定価 1650円(本体1500円)
発行日 2019/05/20

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筑紫平野の東隅
福岡県朝倉郡
三奈木村に育った
少年の記憶に残る
母の味
そして年中行事――

若い日の母の姿
煮炊きした竃の火
朝早くから漂ってくる
みそ汁の味が
昨日のことのように
よみがえる

 

 今、心に残るのは、子どもたちが主となる村の年中行事に伴うご馳走である。正月は、ほうけんぎょう・さぎっちょ。春は、遠足。夏は、およど・盆綱引き。秋は、おくんち・茸取り。冬は、兎追い・小鳥や鴨撃ち・餅つき等々、数々の思い出が母の味とともによみがえる。それは貧しい農村生活に、春秋の彩りをそえるものであった。
 今では、村も少子高齢化によって、年中行事や母の味も消え去ろうとしている。今から約八十年前、昭和初期のあの頃の思い出を、あの日の味を書いてみた。(本文「はじめに」より)

目次

正月
雑 煮   七草がゆ   だんだら粥 


春の味   竹の子寿司   にぎり飯
粽   がめん葉餅   カレーライス


紫蘇飯   どじょう汁   川魚料理
ハヤの甘露煮   川 茸   鱈わたの甘煮


芋名月、栗名月   柿の葉寿司   甘 酒
ガニ飯   干 柿   むかご飯   茸汁


弁 当   蜆 汁   鋤 焼
三奈木砂糖   餅搗き   蕎 麦

日々の食事と三奈木砂糖のこと

著者略歴
安陪光正
[あべ・みつまさ]

1923年、福岡県朝倉郡三奈木村に生まれる。1945年、長崎医科大学附属医学専門部卒、神経精神科医。三奈木に関して、『三奈木村史資料 一〜四巻』、『村のくらし ―筑前三奈木―』、『加藤新吉遺稿集』がある。

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