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戯曲 黒いダイヤ
福岡でテント劇衆
上海素麺工場を
旗揚げして45年
支那海東の
渾身の戯曲を
刻み込む
玄海の風を
テントにはらむ芝居小屋
地底には巨大な子宮の如き
まっくらな坑道
支那海の芝居には数多くの死者たちが立ち現れる。今回の『黒いダイヤ』の場合は、三池炭鉱三川坑の炭塵爆発による犠牲者たちである。地下坑道に果てた彼らは、役者の口をかりて近代日本への呪詛を次から次へと吐き出す。死者たちは鎮魂されなければならない。この世に恨みを残して逝った死者は、いっそう鎮魂されなければならない。(東 靖晋)
目次
第一場 金魚と極道
第二場 神々の密約
第三場 サンバ・踊る昭和
第四場 記憶の旅立ち
キャスト・スタッフ
参考文献
「黒いダイヤ」によせて 東靖晋 上杉満代
あとがき
資料・「上海素麺工場」上演作品ポスター
支那海東略歴
著者略歴
〈劇衆 上海素麺工場・座長〉
1954年、福岡県の⼤牟⽥で⽣まれる。
1978年、福岡にて社会と折り合いのつかない⼈々をそそのかし劇衆上海素麺⼯場を結成。
旗揚げ公演「⿊⿓」から「浴槽の花嫁」「海を渡る燐⼨」を⽴て続けに上演。新聞記事とテレビのニュースをにぎわす。1982年に上演した「豹(ジャガー)の眼」では6⽇の公演で2500名の動員となった。その後、8年の充電期間を経て活動再開、1990年12⽉に「浴槽の花嫁」を再演。2007年11⽉、結成30周年記念公演「⿊いダイヤ」を上演。
2023年に迎えた結成45周年を記念して「戯曲 黒いダイヤ」を上梓。
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