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蜜蝋の花
影との対話から
存在そのものへ
イラン・イラク戦争の
日常と空爆を
体験した少女が
言葉で
世界を取りもどす
自分にとって、天と地をつなぐのが、言葉であり、生の喜びを映す日の光のようであった。道々出会う、全てを受け入れ、そのままで、あるがように。そこにあるもの。
(「あとがき」より)
装画:甲斐大策
イラン想詩
夕暮れと赤い記憶
ある大使館員の死、ある銀杏の死
蜜蝋の花
並んだ時間
月夜
うつつ と リアル
とぅーとぅふぁーらんぎー
くわの実たべた
道
生 詩
全身の水
その先
人型
うまれた日
子宮からの脱出
流れの行き着くところ
あたまをあらう
かえってみたものの
かんかくのきょうかいせんじょう
風呂
自然体
血文字
温度計
魚の骨
しろいねこ
蟻の時間の手前
蝶々の飛んできた道
さくら
土筆
草の音をきく
こんぽすとのなか
花火の夜
風媒花
骸骨と黒穂
死 詩
みつろうのとも
しぬまで
この世からいなくなる
おなかのなかがくらくなる
おばあの通夜
鳥葬曲
殺生石
かんぺきなし
しというものは
うごかぬ証拠
じんせいは斎場
千一羽鶴
足元から
骨と肉体
夢をみとった
無空道
寂しいということ〜失われたものへの歌〜
さかみちととうげ
蔵の中
箱庭日記
仮説
空白
よのなか
心臓が動くたびに
循環無限
まんねんのおおだい
1970年福岡生まれ。幼少時、警察官であった父の仕事の関係で、イスラム革命前後、イラン・イラク戦争当時の中東のイランに滞在し、日本に帰国。西南大学文学部児童教育学科卒業後、写真屋、一般事務、養護学校、鍼灸院の助手、介護、公民館勤務の後、茅葺の家に住みながら百姓をしつつ、詩や小説を書き自然の中で暮らせるよう探していたところ、茅葺職人の仕事に出会い、大分の日田に移住し、生業となり、今に至る。