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豊村悦子詩集 葦笛
西洋文明の海でもがき続ける中から生まれ出た言葉が、詩的世界となって著者の影を乱反照する
(言語は)自由に操作できる面白さと同時に、多義性と危うさにも気づき始めた。
ひとごとのようだが、危うさゆえに、広がる言葉の可能性を紡いで、
何か手ごたえのあるものをつかみたい、と思ったようなのである。
ー章ー
受取人不明
雨の幻想
カバの背
カルカッタ
ポリフォニー
「受取人不明」
私の放つことばが道に迷い
受取人不明でかえってきた
迷っていたのはことばではない
月は私を理解しないけれど
私は月を理解できると思っていた
ニュートンの顔つきをして
運動を数式に閉じ込め
ロケットを月に飛ばす
無限を集合で括り
未来まで見通せると思っていた
ところが私にはボディがない
腹も減らず眠くもならない
ことばは「私」を集め・つなぐ足場を見失う
著者略歴
学生時代、壁(ガリ版)新聞、立て看板製作を通じて、ものづくりの楽しさを知る。
ビアフラ戦争の子供への寄付活動で巡り合った月刊誌『ママの本』を立て直し、
販路拡大のため『メニンガーの育児絵本』や創作絵本を手がける。
REED図書出版(株)の設立により、月刊誌 母と子の本『REED』に。
また、国際児童年にインドの児童労働の取材が縁で、ライフワークとして遊牧民の世界を探求している。
*REED=葦
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