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窓の向こう
ドクトル・コルチャックの生涯
- 翻訳:
- 田村和子
判型・頁 | A5判上製 211頁 |
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ISBN | 978-4-88344-301-7 |
定価 | 1650円(本体1500円) |
発行日 | 2021/05/30 |
子どもと魚には
物事を決める
権利はない
ポーランドの
厳格なユダヤ人家庭に
育った少年は、
な ぜ
子どもたちのために
生涯を尽くしたのか
〝子どもは未来ではなく、ありのままの今を生きる人間であり、大人から対等の人間として敬意を持って接してもらう権利を持っている〟。ヤヌシュ・コルチャックのこの養育理念は一九八九年十一月二十日、第四十四回国連総会において採択された「子どもの権利条約」に反映されました。この条約を提案したのはコルチャックの祖国であり、第二次世界大戦で大勢の子どもたちの命が奪われた国、ポーランドです。(「訳者あとがき」より)
装幀:毛利一枝
第一章 ヘンリク・ゴールドシュミット
子どもと魚に物事を決める権利はない
裕福な家/大事なこと/本ものの男/暗雲/世界改造計画/同じ遊び
学校は恐ろしい所
ペン習字の授業/父の病気/大きな変化/文学と医学
第二章 ヤヌシュ・コルチャック
サマーキャンプ
赤ひげの学生/サマーキャンプで/サマーキャンプからの帰宅
子ども法廷
コルチャック先生/クロフマルナ通り92番地/子ども法廷/訴訟と条文
ドム・シェロト(孤児の家)
灰色のワルシャワの白い家/最初の一年/孤児たちの父親/涙のリスト
第一次世界大戦
いかに子どもを愛するか/時計/終わり、そして新しい始まり
静寂の部屋
賭け/静寂の部屋/君たちに憧れる思いを与えよう/大したことない
堪忍袋の緒
ナシュ・ドム(わたしたちの家)/悲哀そして労働/子どもの心/ハンカチ/悪口雑言/色々な祭日/議会の決議/日々の喜びと挑戦
編集者コルチャック
窓/小評論/秘書/粘り強い少年
窓の向こう
老ドクトル/恐怖の月々/ドム・シェロトの旗/誇り、そして二百人の子どもたち/移転/異常な常態/更なる移転/夢と現実/郵便局/窓の向こう
訳者あとがき
ヤヌシュ・コルチャック(ヘンリク・ゴールドシュミット)略年表
本書は、ポーランド広報文化センターが後援すると共に
出版経費を助成し、刊行されました。
Niniejsza publikacja została wydana pod patronatem
i dzięki finansowemu wsparciu Instytutu Polskiego w Tokio.
ポーランド北部のバルト海に面した港町グダンスクに生まれる。音楽、歴史、社会をテーマにした子ども・若者向けの本を執筆し、シリーズで偉人伝を書いている。グダンスク出身の優れた男性3人、女性3人について書いた『グダンスク三部作』IおよびIIの作者。音楽家、教育者としても活躍。ポーランド作家協会およびIBBYポーランド支部の会員。作品は多くの賞を受け、中でも『Wszystko gra(すべてが音を奏でている)』はボローニャ国際絵本原画展ノンフィクション部門で「ラガッツィ賞」を受賞(2012年)、ドイツヤングアダルト文学賞にノミネートされ(2014年)、児童書ミュージアムの宝物リストおよびIBBYオナーリストに記載された。
グダンスク在住。
札幌市生まれ。1979年より1年間、夫と子どもとともにポーランドのクラクフ市で生活。帰国後、東京でポーランド語を学ぶ。その後、東京外国語大学とクラクフ教育大学の研究生としてポーランドの児童文学を研究。現在、ポーランドの主に若者向けの小説を翻訳している。主な訳書に『クレスカ15歳 冬の終わりに』(岩波書店)、『ノエルカ』『ロブロイェクの娘』『ブリギーダの猫』(以上、未知谷)、主な著書に『ワルシャワの日本人形』(岩波ジュニア新書)がある。岩手県金ヶ崎町在住。