久留米がすりのうた
井上でん物語

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偶然と好奇心が生んだ庶民の美

祖母の機織りを手伝いながら、着古してかすれた藍染めを見て「おでん加寿利」を創作した少女期、そして天才発明少年・からくり儀右衛門と共に、素朴で可憐な「絵絣」を完成させた久留米がすりの母・井上でんの前半生を清々しい筆致で描く長編小説

目次

一 寺子屋
二 川祭り
三 アンズの花
四 あられ織
五 菊童屋の機部屋
六 洪水
七 鬼市
八 ほたる
九 松田様の屋敷
十 八十八夜
十一 ツツジの苗
十二 未明の月
十三 原古賀織屋おでん
十四 ご繁昌
十五 べっこう屋の儀いしゃん
十六 五穀神社の石橋
十七 絵絣

著者略歴
岩崎京子
[いわさき・きょうこ]

1922年東京都生まれ。短編「さぎ」で日本児童文学者協会新人賞を受賞。『鯉のいる村』(新日本出版社)で野間児童文芸賞、芸術選奨文部大臣賞、『花咲か』(偕成社、その後石風社)で日本児童文学者協会賞を受賞。
主な作品に『かさこじぞう』『ききみみずきん』(以上ポプラ社)、『十二支のはじまり』(教育画劇)、『けいたのボタン』(にっけん教育出版社)、『赤いくつ』(女子パウロ会)、『一九四一黄色い蝶』(くもん出版)、『街道茶屋百年ばなし・熊の茶屋』『街道茶屋百年ばなし・子育てまんじゅう』『街道茶屋百年ばなし・元治元年のサーカス』(以上三部作、石風社)『久留米がすりのうた』(石風社)など多数ある。

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