だれだって 強く なりたいよね でも ほんとうの つよさって なんだろう?
ボクシングの元世界チャンピオンが 子どもたちのこころにおくるメッセージ
−−−−− あとがきより −−−−−
つよいって、ナンダロウ? 黒田征太郎
この絵本をいっしょにつくった鬼塚さんは、ボクシングで世界一になったひとです。そのひとが、「つよくなりたい」という物語をかきました。
でも、つよいてなんだろうね?
力がつよい。重いものをもちあげる。だれよりも速くはしれる。高くとべる。カンタンにヒトを投げとばし、ナグリたおすことができる。つよいよ、ネ。オリンピックに、ゆけるしチャンピオンだよネ。
でも、それだけではない。よ、ネ。走る。もちあげる。ながーく深くもぐっていられる、高く高く、とべるそんなつよいキカイも、あるよ。ブキだよ兵器だよ。それを使って、どちらがつよいかをあらそうのが戦争だよね。勝ったほうがつよいのかな?
まだまだあるよ。オカネだって沢山もってるとつよいんだよネ? だってお金持のヒトってイバッテルよね。つよいとおもっているんだろ。コトバでつよいヒトもいるよネ。ウソのようなコトバばっかりでエラそうにしてる人、たくさんいるよネ。
つよいってナンダロウ。むつかしいネ。きっと、ニンゲンいがいのイキモノやら自然が本当のつよさを知ってるんだろうネ? 強くヒトを育ててくれる自然におしえてもらおうか?
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ほんとうの強さとは? 鬼塚勝也
僕は小さい頃から身体も弱く女の子に間違われるような子供だった。 だからいつも変わりたい、強くなりたいと思うようになっていた。 そして拳で強さを証明するというボクシングの世界にのめり込んでいった。 相手との戦いに勝つことが、自分が変われる道であり強さの象徴だと信じていた。 でも、勝っても勝っても、変わる事のないいつもの自分…… そして気づけた。自分が求めていたものは、 なるものでも、なれるものでもない。 感じることなんだと…… このたび、黒田征太郎さんとの出会いにより 自分のやりたかった夢の一つでもある絵本作りに参加でき、 すごく嬉しくて、ボクシングとおなじ様な高ぶった気持ちになっています。 本当の強さとは? 決して腕力や表面的なものではなく、 人に対する優しさも含め 心の中にあるように思います。
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日本図書館協会選定図書
黒田征太郎
1939年大阪生まれ。画家・イラストレーター。 米軍軍用船乗務員など多くの職業を経て、1969年、長友啓典氏とK2設立。1992年よりニューヨークにアトリエを構え、国内・国外で幅広く活動。 主な作品『KAKIBAKI』『戦争童話集・全4巻』『風切る翼』『もじと絵』『リオ 旅に出た川』他多数。2004年「PIKADON PROJECT」を開始。2009年活動の拠点を北九州市に移し、ライブペインティングや壁画制作等を精力的に展開。3.11の震災以降は東北にしばしば出かけ、表現者として全力投入している。近作絵本に『火の話』『昭和二十年八さいの日記』(文・佐木隆三)、『水の話』(文・近藤等則)、『土の話』(文・小泉武夫)、『岩になった鯨』(文・ふくもとまんじ)がある。
鬼塚勝也
1970年、北九州市小倉生まれ。
8歳で世界一強い男、世界チャンピオンを志す。
1990年、全日本チャンピオン。
1992年WBA世界スーパーフライ級チャンピオン。
同タイトルを5度防衛し、世界ボクシング協会より、スーパーチャンピオンと認定される。
1994年、網膜剥離により引退。プロ戦績 25戦24勝17KO1敗。
LAに渡り保父のアルバイトをきっかけに絵を本格的に描きだす。
1999年、福岡市にSPANKY・K SACRED BOXING HALLを開設。
TBSボクシング番組では解説を務める傍らファッションデザインやアート活動を行う。
2011年1月、絵画初個展「RED CORNER」を開催。10月、「ベストジーニストアワード」受賞。11月、「ベストデビュタントオブザイヤー」アーティスト部門で特別賞受賞。
2013年5月、ボクシングホールとストーンマーケットギャラリーの2会場にて個展を同時開催 。12月、アート&フォトコラボ展『FRIEND SHIP』を北九州にて開催 。
文化人・芸能人の多才な美術展に出展 (2011年〜2014年)。
2014年8月、福岡市内で大規模な展覧会を開催 。
昭和二十年八さいの日記 | |
火の話 | |
水の話 | |
土の話 | |
岩になった鯨 |