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ペンと兵隊
火野葦平の戦争認識
北九州・若松の沖仲仕頭領・玉井金五郎の長男として生を受け、文学を志し上京。帰郷後、労働者の組合運動に身を投じ、芥川賞受賞の「糞尿譚」や従軍小説「麦と兵隊」などで一躍、国民作家の地位を確立するも、戦後、連合軍により公職追放――。激動の時代とともに葛藤しつつ揺れ動いた文学者たちが背負った思想的課題を、葦平作品に内在する振幅の中から問い直す評論集。
目次
ペンと兵隊 火野葦平の戦争認識
第一章 火野葦平の思想体験 作家以前について
第二章 『魔の河』小論 〈悲劇の共感〉の成立をめぐって
第三章 『麦と兵隊』論のために 作品評価の一視点
第四章 北九州翼賛文化運動と火野葦平
第五章 『覚書』G項指定と火野葦平
第六章 〈悲劇の共感〉について 火野葦平小論
付論・大熊信行論ノート
大熊信行論ノート 配分理論と転向
続・大熊信行論ノート 〈醒めた半分の苦悶〉について
著者略歴
1941年 旧満州(中国東北部)生
1965年 北九州大学(現 北九州市立大学)卒業
現在 思想の科学研究会会員
共著 『日本の近代化を問う』(勁草書房刊、1982年)
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